「個人山行報告」 加南三山『富士写ヶ岳(△941.9m)』 I・
【行先】 ; ・石川県加賀市『富士写ヶ岳(941.9m)』
【日時】 ; ・5月4日(木)PM~5日(木) 【天候】;5/4日晴れ,5/5日 晴れ後曇り
【山行目的】 ; ・加南三山の秀峰『富士写ヶ岳』登山を楽しむ
・『富士写ヶ岳』の“ホンシャクヤク”と“ブナ林の新緑”など豊かな自然を楽しむ。
【コースタイム】
・〔5/4日〕宇治-<自動車/207㎞>-坂井市「たけくらべ広場キャンプ場」 (泊)
・〔5/5日〕「たけくらべ広場キャンプ場」-<自動車7㎞>-「我谷コース登山口」P/155m(8;00-8;17)==我谷吊橋=<我谷コース>=300m地点(8;45-50)==鉄塔/335m(9;00)=
=“小リス平/507m(9;28-33)==“中間点/595m(9;48) ==“ブナ純正林/720m(10;11-15)== “枯淵コース合流点/920m(10;55)==『富士写ヶ岳/△941.9m』(10;58-12;00) =<枯淵コース>=“前山/920m(12;13) ==442m地点(13;15-27)==枯淵登山口/200m(13;50)==九谷ダム(14;01-25)=<車道歩き/3.5㎞>=(15;10)我谷登山口P(15;43)-<自動車/186.5㎞>--(20;13)宇治
・歩行時間;6時間35分,歩行距離;8.7㎞,累積登高;968m,(YAMAPデータによる)
【報告と感想】福井と石川県境付近には加南三山(大日山、富士写ヶ岳、鞍掛山)、越前大日山(越前甲)、浄法寺山、丈競山、火燈山(ひともし山)、等々楽しい山があります。私は、アイゼン・ピッケル・テント泊の春山合宿から引退してからは、5月の連休はこれらの山に通っていました。中でも私の最ものお気に入りは富士写ヶ岳です。毎年通いましたが、いろいろ違った良さを感じられ、自然が一杯、緑一杯、癒やされる山です。
富士写ヶ岳は標高941.9m、その姿は名前のとおり富士山型の奇麗な山です。そして5月の連休頃に咲く“ホンシャクナゲ”の群生と、ブナの純林で人気の山です。また、日本百名山を書いた深田久弥のふるさとの山で、彼が登山を始めるきっかけとなった山と言われています。山頂には深田久弥のレリーフが刻まれた方位盤が設置されています。 今年も5月の連休を利用して前夜発山行で行ってきました。5月4日午後自宅を出発。名神、北陸道を走って福井坂井市の“たけくらべ温泉キャンプ場”に着く。事前に了解を得てある駐車場で車中泊です。私の車は後部座席を倒すとフラットになって、マット、シュラフを持ち込めば快適な宿になります。コンビニ弁当と缶ビールで夕食を済ませ就寝。
朝ゆったりと起き出してお湯を沸かし、朝食を済ませて山中方面に出発。途中大内峠を越えるが、この峠の上から富士写ヶ岳への大内峠登山口があります。ここから富士写ヶ岳へ登り、あと、小倉谷山、火燈山と巡って大内峠に戻る“不惑新道”もお薦めのコースです。急登がありますが、シャクナゲ見放題、自然が一杯の楽しいコースです。今日は峠を下ってすぐの我谷ダムに沿って少し入った我谷コース登山口へ。道路沿いの駐車スペースは、案外空いていて十数台です。会に入山届を送信しようとするが、谷筋で電波状況が悪く送信出来ない。尾根に上がれば入るようになると思われ、そのまま出発。
赤い吊橋を渡ってダム湖の対岸から尾根に取付きます。尾根道の取り付きの常で急斜面です。50mほど登ると少し息が付けて尾根に乗った感じの所に出ます。ここでスマホを出して入山届を送信すると無事に送信できヤレヤレです。一安心して若葉の林の中の尾根道を進みます。300m付近まで来ると林が途切れ見通しが良くなり、振り返るとダム湖が下の方に見えます。この辺りにカタクリの群生地がありますが、今は時遅しです。送電線の鉄塔を越えるとまた緑の自然林の中、時々急登はありますが、緑一杯の尾根道を楽しみます。
680m位まで登ると、お目当てのブナの純林が始まります。毎年、季節の移ろいにより景色は変わりますが、この日は若葉になってやさしい黄緑色の若葉が全面に広がっています。上から下まで全面ブナ林の中ので、このまま通り過ぎるのは勿体ない感じで休憩します。上から降りてくる方に「奇麗ですねぇ!」と挨拶すると、地元の人のようで「ありがとう、ゆっくり楽しんで下さい」と返されました。
750m位まで上がると一旦ブナ林は途切れ、低灌木の尾根道になり“ホンシャクナゲ”の木々が見え始めます。残念ながら時期が過ぎたようで、白っぽくなった花がチラホラ残っている程度です。展望が良くなり、前方には富士写ヶ岳と枯淵コースにある前山が並んで見えます。右手に日本海が望めます。両側のシャクナゲの木々の間を進むとまたブナ林の中の急登が始まります。この辺りの登山道の横はイワウチワが群生していて、花の時期は美しく、急登のしんどさも慰められる所です。今年は雪が少なかったのか、シャクナゲの時期も過ぎ、イワウチワの花も終わっています。ひと頑張りすると、程なく小広く刈込まれた山頂です。
今日は天気が良く展望抜群です。北に雪を被った白山が望めます。右後方に日本海、左後方は福井、石川の山々がびっしりです。今はやはり花の時期が外れているためか、今日の山頂は14-5人です。私も三角点に挨拶したあと、早速に昼食タイムです。コンビニ弁当ですが、大好きな山の山頂で食べると最高です。持参のお湯でスープを作り、まわりの景色を楽しみながらゆるゆると楽しみます。食後のコーヒーを楽しんでいると約束の1時間はあっと言う間です。名残惜しいですが、12時丁度に思い腰を上げて下山に向います。今日は今まで行ったことない「枯淵コース」を下ります。「枯淵コース」を下ると富士写湖沿いの車道を3.5㎞歩いて、「我谷コース」登山口に駐車した車を取りに歩く必要がありますが、初めてのルートを歩いて見たくて降り始めました。
我谷コース分岐を過ぎて前山とのコル状の尾根道を進むと、日当たりの関係かこちらのコースにはシャクナゲが結構咲いています。色も本来のピンク色で美しい。少し登り返すと前山のピークで、白山が奇麗に見えます。前山からはブナ林の中の急斜面の降りが続きます。お助けロープがチョコチョコ張ってあり、尾根も狭いので慎重に下ります。やはり我谷コースがメインルートのようで、こちらのコースはめっきり人が少ない。斜面は急だが、こちらまで染まりそうな新緑のブナ林の中を、静かな山歩きが出来る幸せを感じます。コンター600m位まで下ると一息付けるような傾斜の緩い尾根道になる。植生もブナの中にミズナラが混じるが、あいかわらず黄緑色の若葉の中です。新緑の林の歩きを満喫しながら進む。高度442m地点で休憩。新緑が一杯の素晴らしい風景を自撮りして残す。ここからは傾斜も緩い林の中をトコトコ下る。最後のダム湖のほとりに下る所が急斜面でこれを40mほど下るとダム湖の縁の道路に降り立った。ここが「枯淵コース」の登山口です。このコースは、一番上の前山から下まで、ブナやミズナラなどの自然林のコースで、本当に奇麗で楽しかった。登山口から九谷ダムの上を対岸に渡り、ここで会に下山報告を入れた上で、3.5㎞/約40分の車道歩きに歩き出す。
私は車道歩きは嫌いですいが、今日は楽しい山の余韻に浸りながら、まわりの自然の風景を楽しみ、シャガの花を楽しみながら歩いた。駐車場で着替えて早々に帰路に付く。高速道路の連休の渋滞には苦労したが、敦賀から161号線を帰るとまずまずのペースで帰れた。登山口から自宅まで4時間半で帰れてラッキーでした。