「個人山行報告」江若国境の山『百里ヶ岳(△931.3m)』    記I・T

右京で最高齢に属する80才会員の山行報告です。登山は年齢を重ねても「安全登山」を心がけ、キッチリ「準備」と「トレーニング」をして取り組めば、楽しめるスポーツと思います。山は良いです!皆さん、登山を“生涯スポーツ”として楽しもうではありませんか!年を重ねても、大いに楽しみましょう!今回は中央分水嶺“高島トレイル”16座の一つ『百里ヶ岳』に行ってきました。のんびりほっこりと自然を満喫出来る楽しいコースでした。秋にでもお楽しみ下さい

【行先】 ; ・高島市朽木『百里ヶ岳(9313m)』  【地図】;1/25000「古屋」

【日時】 ; ・6月8日(土)   【天候】; 晴れ後曇り

【山行目的】 ; 古くからのルート“百里新道”からの『百里ヶ岳』登山を楽しむ
・県境尾根からの展望とブナ林を楽しむ

【山行者】 ; I・T(80才)

【コースタイム】宇治(7;30)-<自動車/81.4㎞>-小入谷越登山口P/501m(9;51-10;32)=<百里新道>==590m(10;51)==700m(11;23-28)==“シチグレ峠”/793m(12;18)=
県境尾根/845m(12;32-38)==『百里ヶ岳/△931.4m』(13;07-45)==県境尾根分岐/845m(14;07-09)==805m(14;38-43)==605m(15;23)小入谷越登山口P(15;45-16;10)-小入谷(16;15-16;25)--<自動車/69.2㎞>-(18;40)宇治

・歩行時間;5時間26分(内休憩時間;1時間25分),歩行距離;7.3㎞,

【報告と感想】“高島トレイル”には16座の山々が繋がっていて、その各々の山はいろいろ特徴カがあり、趣も違います。16座を縦走するのは達成感もあって楽しいですが、各山々を個別にピークハントするのも中々楽しいものです。「赤坂山」のようにアクセスが良くて多くの人が楽しむ山もありますが、殆どの山は大分奥深い場所にあったり、雪深い所もあって自然が多く残っている山が多くあります。私はこの時期には、福井の山か湖北の山、または高島トレイルの山に行き、緑が深くなり出した青葉の中を静かな山歩きを楽しんできました。ところが最近の熊騒動には一寸腰が引けます。“静かな山歩き”を求めていると、“高島トレイル”の「駒ヶ岳」や「湖北武奈ヶ岳」などは、1日歩いていてもだーれも会いません。具体的な熊の目撃情報は聞きませんが、余り人が入っていない山はやはり腰が引けます。そこで同じ“高島トレイル”の山でも『百里ヶ岳』は以前から人気があってよく登られている山ですのでここに行くことにしました。丁度古くからの登山道“百里新道”を歩いた事が無いので、このルートを登りました。

【報告と感想】

“高島トレイル”には16座の山々が繋がっていて、その各々の山はいろいろ特徴カがあり、趣も違います。16座を縦走するのは達成感もあって楽しいですが、各山々を個別にピークハントするのも中々楽しいものです。「赤坂山」のようにアクセスが良くて多くの人が楽しむ山もありますが、殆どの山は大分奥深い場所にあったり、雪深い所もあって自然が多く残っている山が多くあります。私はこの時期には、福井の山か湖北の山、または高島トレイルの山に行き、緑が深くなり出した青葉の中を静かな山歩きを楽しんできました。

ところが最近の熊騒動には一寸腰が引けます。“静かな山歩き”を求めていると、“高島トレイル”の「駒ヶ岳」や「湖北武奈ヶ岳」などは、1日歩いていてもだーれも会いません。具体的な熊の目撃情報は聞きませんが、余り人が入っていない山はやはり腰が引けます。そこで同じ“高島トレイル”の山でも『百里ヶ岳』は以前から人気があってよく登られている山ですのでここに行くことにしました。丁度古くからの登山道“百里新道”を歩いた事が無いので、このルートを登りました。

今日の私の熊対策は、カウベルタイプと鈴タイプとの2ヶの熊鈴をストックの手首のベルトにくくりつけて歩きます。ザックにつけると登りはそんなに振れないので殆ど鳴らないため、私はストックにつけてそれを振りながら歩きます。熊は出会い頭で会うのが最も危険で怖いです。細い尾根は、今は下草が殆ど無いので見通しが良く、前方の尾根に注意をはらって歩けば良いのですが、コンターが緩くなって、尾根がだだっ広い所や、小広いピークを形成している場所は要注意です。前方だけで無く四方に注意が必要ですので、私は時々ストックの先を持って高く掲げて鈴を鳴らし、澄子さんに教えてもらったのですが、「ホッホー!」「ホッホホー!」と大きな叫び声を上げながら、左右・前方に注意を払って進みます。

余談;先日〇〇労山が「ポンポン山」に何かの花を見に6人パーティーで行ったそうです。その時は、「ポンポン山」の裏側は人が少ないので、6人全員が熊鈴をつけて2人が笛を鳴らして歩いたそうです。そして昼食時はラジオをボリューム一杯上げて鳴らして休んだとのこと。皆さん苦労されています。(「ポンポン山」も東尾根で良く熊の目撃情報があるそうです)登山道は、時々スギ林もありますが、殆どは奇麗な落葉樹林の中を尾根通しで進みます。静かで緑が一杯で、急登は余り無くてアップダウンを繰り返しながら気持ちの良い尾根歩きを楽しみます。“シチグレ峠”の手前で男女2人連れのパーティーが休んでいました。「私たち地図読みしながらですので遅いんです」と言っておられました。そうですね、地図読みするのも楽しい尾根です。いろいろ楽しめる山です。

“シチグレ峠”は気をつけていないと見逃すような峠です。ただ古い登山道だけに、何か人間くさい趣のある名前の峠です。ここから少し登ると“高島トレイル”のルートで、“おにゅう峠”からの道に合します。ここにはキッチリした道標があり、ここで中央分水嶺の主尾根に乗ります。ここで右折して“高島トレイル”のルートを辿り、最後の一登りで『百里ヶ岳』山頂です。横長の広い山頂からは、名前の由来では「百里四方が見渡せる」とのことでうすが、今はまわりの樹林が伸びたのかそんなに展望はありません。それでも気持ちの良い山頂です。見通しの良い山頂の真ん中付近に腰を据え、お楽しみの昼食タイムです。日差しも強くなく、風は気持ち良く、緑は奇麗、見晴らしもほどほどにあって、本当にのんびりほっこりのお昼です。毎度のお握りとサンドウィッチですが美味しいです。途中で単独の若者が1人、そして登りで会ったフ2人連れパーティーが上がってきました。今日通して会った登山者はこれだけでした。食後のコーヒーを楽しんだあと重い腰を上げて下山に向います。車を置いてあるので登ったルートを引返します。高島トレイルのルートを“おにゅう峠”方向に進みます。20分ほどで小入谷越登山口への支尾根に分かれる分岐です。ここを左に折れて支尾根に入ります。先ほど登ってきたルートですので気が楽です。熊対策の鈴を鳴らし、狭い尾根では前方注意!広い尾根や小ピーク上では熊鈴を振上げて鳴らし、前方から左右まで注意!注意!その上“ホー!ホッホー!と掛け声をかけて進みます。緩やかなアップダウンがありますが、歩きやすい尾根道をトットコ下ります。順調に進んでいますが、700mのコンター付近ではアップダウンを繰り返すばかりで中々降りません、しびれを切らす頃にやっと605mの小ピークに出ます。ここで左へカーブして最後の降りです。少しばかり傾斜が強くなった尾根を100m程降ると駐車場です。駐車場にある「登山者カードBox」に下山届を投入して今日の山行を終えました。そして着替えて小入谷集落へ出て、会に「下山報告」を発信して帰路につきました。帰りは1車線の府道783号を走って、367号の梅の木に出て帰りました。道は細いですが大分と近いです。

”百里新道“は楽しいルートでした。杉林も一部混じりますが、基本的には落葉樹林の中の静かな尾根歩きが楽しめます。途中にはブナ林もあって緑一杯の自然満喫ルートです。
累積登高は730m程ありますが、小さいアップダウンの尾根道ですので、それこそのんびりほっこりと自然を楽しみながら歩けます。秋の紅葉シーズンも楽しそうです。



《個人山行報告》加南三山『富士写ヶ岳(△941.9m)』I・T

雪深い加越国境には自然が一杯の楽しい山が多くあります。私はこの自然が一杯の山々に魅せられて、毎年5月の連休時分にこれらの山を楽しんでいます。今年もお気に入りの『富士写が岳』に行ってきました。お目当ての“ブナの純林”の新緑は、それは見事で堪能してきました。心から癒やされてきました。良い山です。この山の楽しさ、魅力を紹介がてら報告します。一度は訪れることをお薦めします。

【行先】 ; ・石川県加賀市『富士写ヶ岳(941.9m)』【地図】;1/25000「越前中川」

【日時】 ; ・5月4日(土)PM~5日(日) 【天候】;4日 晴れ,5日 晴れ

【山行目的】 ; ・加南三山の秀峰『富士写ヶ岳』登山を楽しむ
・『富士写ヶ岳』の“ホンシャクナゲ”と“ブナ林の新緑”等豊かな自然を楽しむ。

【山行者】 ;  石田 忠久(80才)

【コースタイム】

・〔5/4日〕宇治(13;36)-<自動車/207㎞>-(17;25)坂井市「たけくらべ広場キャンプ場」(泊)

・〔5/5日〕「キャンプ場」(7;28)-<自動車/7.1㎞>-「我谷コース登山口」P/155m(7;45-8;05)
=我谷吊橋=<我谷コース>=鉄塔/330m(8;45-55)==小リス平/495m(9;25-28)==“中間地点”/592m(9;45) ==“ブナ純林入口”/663m(9;58)==“ブナ純林中心部”/730m(10;12-17)==コル/827m(10;44) ==枯淵コース合流点/925m(10;03)==『富士写ヶ岳/△941.9m』(11;07-12;00)==我谷・枯淵コース分岐/925m(12;04)=<枯淵コース>=前山/920m(12;15)==483m地点(13;08-18)==枯淵コース登山口/190m(13;50)==九谷ダム(13;58-14;15)=<車道歩き/3.5㎞>==我谷登山口P(14;57-15;25)--<自動車/177.7㎞>-(20;51)宇治

・歩行時間;6時間59分(内休憩時間;2時間7分),歩行距離;9.7㎞,
累積登高;1044m,累積下降;1045m,平均ペース;110-130%(やや早い) (YAMAPデータによる)

【報告と感想】 

福井と石川県境付近には、加南三山と称される「大日山(加賀大日)」、「富士写ヶ岳」、「鞍掛山」や、「越前大日山(越前甲)」、「浄法寺山」、「丈競山(たけくらべ山)」、「火燈山(ひともし山)」、等々楽しい山々があります。私は、アイゼン・ピッケル・テント泊の春山合宿から引退してからは、5月の連休はこちらの山々に通ってきました。これらの山は、雪深い土地だけに連休時には雪が残っている所もありますが、その分自然が多く残っていて、私たち都会に住む者には、本当に癒やされる山歩きができます。京都からは一寸遠くて日帰り山行は難しいですが、前夜発で1山、もしくは前夜発+1泊で2-3山を巡るなどで楽しめます。宿泊には“たけくらべ温泉”、キャンプには“浄法寺キャンプ場”や“たけくらべ広場キャンプ場”などが、足場も良くて楽しく快適な所です。

今回は、私のお気に入りで毎年訪れるようにしている『富士写ヶ岳』へ行ってきました。『富士写ヶ岳』は標高941.9m、その姿は名前のとおり富士山型の奇麗な山です。そして5月の連休頃に咲く“ホンシャクナゲ”の群生と、ブナの純林で人気の山です。また、「日本百名山」の作者、深田久弥のふるさとの山で、彼が登山を始めるきっかけとなった山と言われています。山頂には深田久弥のレリーフが刻まれた方位盤が設置されています。コースはいろいろありますが、“枯淵コース”が最もポピュラーで、親子連れのファミリーハイクでも親しまれています。

今年も5月の連休を利用して前夜発山行で行ってきました。5月4日午後自宅を出発。近くのスーパーで今夜、明日の朝と昼の3食+非常食1食の食料を調達して、名神、北陸道を走って福井坂井市の“たけくらべ広場キャンプ場”に着く。事前に了解を得てある駐車場で車中泊です。スーパーの弁当と缶ビールで夕食を済ませ就寝。朝ゆったりと起き出してお湯を沸かし、朝食を済ませて山中方面に出発。途中大内峠を越えるが、この峠の上から富士写ヶ岳への登山口があります。この大内峠登山口からは、富士写ヶ岳へ登り、あと、小倉谷山、火燈山と巡って大内峠に戻る“不惑新道”があって、お薦めのコースです。急登がありますが、シャクナゲ見放題、自然が一杯の楽しいコースです。我谷登山口まで行くと、携帯電話が通じなくなりますので、途中で会への「入山連絡」を済ませます。

峠を下ってすぐの我谷ダムに沿って少し入った我谷コース登山口へ着く。道路沿いの駐車スペースは、案外空いていて10台前後です。早速に出発準備をして、いざ出発!

赤い吊橋を渡ってダム湖の対岸から尾根に取付きます。尾根道の取り付きの常で急斜面です。50mほど登ると少し息が付けて尾根に乗ります。コンター300m付近まで来ると林が途切れ見通しが良くなり、振り返るとダム湖が下の方に見えます。この辺りにカタクリの群生地がありますが、今は時遅しです。送電線の鉄塔を越えるとまた緑の自然林の中、時々急登はありますが、緑一杯の尾根道を楽しみます。660m位まで登ると、お目当てのブナの純林が始まります。毎年、雪解けの時期や春の到来の早さによって、ブナの芽吹きや新緑の状態が変わりますが、今年はやはり暖かかったようで新緑から若葉の状態で、それこそ緑一色で本当に奇麗です。

750m位まで上がると一旦ブナ林は途切れ、低灌木の尾根道になり“ホンシャクナゲ”の木々が見え始めます。残念ながら今年はシャクナゲの裏作の年だったそうで、その上時期も早かったようで、忘れ物のように咲いている1-2輪を見た程度です。展望が良くなり、前方には富士写ヶ岳、右手に日本海が望めます。両側のシャクナゲの木々の間を進むとまたブナ林の中の急登が始まります。この辺りの登山道の横はイワウチワが群生していて、花の時期は美しく、急登のしんどさも慰められる所です。ひと頑張りすると、程なく小広く刈込まれた山頂です。 今日は天気が良く展望抜群です。北に雪を被った白山が望めます。右後方に日本海、左後方は福井、石川の山々がびっしりです。今はやはり花の時期が外れているためか、今日の山頂は7-8人です。しかし人気の山だけに絶えること無く、次々と登って来、下山して行きます。私も三角点に挨拶したあと、早速に昼食タイムです。天気も良く、好きな山の山頂でのお昼は最高です。持参のお湯でスープを作ってサンドウィッチを頂き、途中で買った柿の葉寿司を食べ、まわりの景色を楽しみながらゆるゆると楽しみます。そして食後のコーヒーを楽しんでいると約束の1時間はあっと言う間です。名残惜しいですが、12時丁度に思い腰を上げて下山に向います。

今日は、昨年も使って楽しかった「枯淵コース」を下ります。「枯淵コース」を下ると富士写湖沿いの車道を3.5㎞歩いて、「我谷コース」登山口に駐車した車を取りに歩く必要がありますが、上からほとんど下まで、ブナが多い自然林の林が続くコースを楽しみます。我谷コース分岐を過ぎて、コルから登り返して930mの前山のピークに立つと、白山が奇麗に見えます。山頂と少し角度が変わるのか、こちらの方がより近く見えます。この尾根道はあと2回ほど展望が効く所があって、その都度白山が良く見えます。このあとは、ブナ林の中の急斜面の降りが続きます。両側は木々で余りよく見えませんがかなりの急斜面の細尾根です。お助けロープがチョコチョコ張ってある急な降りを慎重に降ります。こちらのコースはめっきり人が少なく、下山まで誰にも会いません。斜面は急ですが、こちらまで染まりそうな新緑のブナ林の中を、静かな山歩きが出来る幸せを感じます。1時間程歩いて480m地点まで来ると大分傾斜も緩くなります。ここで一旦緊張を説いて休憩します。この辺りまで降っても緑、緑、緑の林の中で、休憩して足を休めます。 ここからは傾斜も緩い林の中をトコトコ下る。最後のダム湖のほとりに下る所が急斜面でこれを40mほど下るとダム湖の縁の道路にある「枯淵コース」の登山口に出ます。

このコースは、一番上の前山から下まで、ブナやミズナラなどの自然林のコースで、本当に奇麗で楽しかったです。登山口から九谷ダムの上を対岸に渡り、ここから車道歩きです。車道歩きは好きではありませんが、今日は楽しい山の余韻に浸りながら、まわりの自然の風景を楽しみ、シャガの花を楽しみながら歩くと苦になりません。のんびり40分程歩いて、我谷コースの駐車場に着き、今日の幸せな山行を終えました。山にありがとう!です。

《個人山行報告》湖北の秀峰『横山岳(△1131.7m)』I・T

右京で最高齢の部類の会員の山行報告です。登山は年齢を重ねても「安全登山」を心がけ、「準備とトレーニング」をキッチリ取り組めば、まだまだ楽しめると思っています(“それなりの山”゙になりますが/笑)。山は良いです!皆さん、登山を“生涯スポーツ”として楽しもうではありませんか!年を重ねても、大いに楽しみましょう! 今回は湖北の『横山岳』に、“ヤマシャクヤク”を訪ねて行ってきました。楽しく『横山岳』を満喫してきました。年齢の高い会員さんの参考や励みになれば幸いです

【行先】 ; ・滋賀県長浜市『横山岳(1131.7m)』, 【地図】;1/25000「美濃川上」

【日時】 ; ・4月29日(祝),  【天候】;曇り後雨,

【山行者】 ; ・石田 忠久

【山行目的】 ; ・湖北の秀峰『横山岳』登山を楽しむ
・花の山として知られる横山岳の“ヤマシャクヤク”とブナの新緑を楽しむ

【コースタイム】 ・宇治(7;03)-<自動車/116Km>-白谷登山口/250m(8;43-9;50)=
三高尾根登り口/330m(10;15-23)==鳥越峠/510m(11;12-17)==712m(11;55-12;05)==800m(12;22)==925m(12;48-58)==1000m(13;16)==1065m〔ヤマシャクヤク〕/(13;34)==『横山岳/△1131.7m』(13;46-14;20)==864m(15;19-24)==五銚子の滝/690m(15;50-55)==林道/480m(16;33)==白谷登山口P(16;55-17;25;)-<自動車>-(18;43)宇治

・歩行時間;7時間15分(内休憩時間;2時間8分),歩行距離;6.1㎞,
累積登高;914m,累積下降;912m,平均ペース;90-110%(普通) (YAMAPデータによる)

【報告と感想】

今年も湖北の『横山岳』へ、“ヤマシャクヤク”とブナ林の新緑を楽しみに行ってきました。『横山岳』は、湖北の長浜にある双耳峰の山で、関西100名山に数えられています。紹介本のタイトルには、“滝と花と急登!湖北の名山「横山岳」”とありますとおり、広く“花の山”と知られています。また東尾根に広がる“ブナの純林”は滋賀県で最大級と言われていて、それは見事です。

『横山岳』には、“五銚子の滝”から登るメインルートの“白谷本流コース”、急登の“三高尾根コース”、ブナの純林が美しい“東尾根コース”などがあります。この山は、地元の「杉野山の会」がしっかり管理されていて、登山口に駐車場、休憩小屋やトイレ、登山カードboxを設置し、登山者のために立派な“登山ルート図”を用意し、登山道を整備して各ルートの急坂部にはフィックスロープを張ってくれています。ありがたいですし、嬉しいです。感謝!です。私はこの雪深い山、そして自然が一杯の山『横山岳』が好きで、毎年5月花の頃に欠かさず訪れています。今年も楽しんできましたので、今年の花の状況も交えて報告します。

今回も私のお気に入りの“三高尾根コース”を登ります。今日の山行は、朝にいろいろあって出遅れたり、昔からの友人から急ぎの℡があって対応したりしていて、出発が大幅に遅れました。このため、安全対策上、14時をタイムリミットに設定しました。山頂に着かなくても14時になれば、その地点から下山する事を確認してスタートしました。

白谷登山口Pから林道を少し戻ってコエチ谷林道に入ります。この林道には時期にはイチリンソウが一面に咲きますが、今日は遅くて咲き残りの花が2-3輪です。鳥越峠から張り出している支尾根の末端に登り口があり、そこから登ります。

新緑の木々が鬱蒼としている中の急登のルートです。三高尾根も急登ですが、この支尾根もかなりの急登です。ただ峠まで高度差200m弱ですので、一頑張り、二頑張りとこなしていけば、右手に開けた鳥越峠が見えてきて、横山岳~墓谷山の稜線に出ます。少し降ったコルが林道も上がってきている鳥越峠です。左右の展望はよろしい、正面にこれから登る“三高尾根”が山頂へ続いています。

一息入れたあと、尾根に取付きます。早々にお助けロープがある急登が始まりますが、緑・緑・緑の世界で気分は楽しいです。コンターで700m、800mと刻みながら頑張ります。
もう少し早い時期なら、下から“イカリソウ”、“イワウチワ”、“カタクリ”などの花々の群落があって慰めてくれるのですが、時遅しでもう終わっています。年をとると、もう恥も外聞も無くお助けロープにも助けられ、ゆっくり・ゆったりとマイペースで登ります。下山して来る人に聞くと、「“ヤマシャクヤク”が結構見られたよ」とこと。900mのコンターを過ぎた辺りで一旦傾斜が止み、樹林も開けて右正面に山頂が望めます。あと200mです。
この間に“ヤマシャクヤク”が見られますので、それを楽しみにもうひと頑張りです。

コンター1065m付近は岩混じりの急登ですが、その付近にあちらこちらと“ヤマシャクヤク”が咲いています。嬉しいです。私は女性会員の皆さんのように、山の花には余り詳しくはありませんが、この“ヤマシャクヤク”は最も好きな花です。上品で儚さそうで、良いですね。“ヤマシャクヤク”の地帯を過ぎると傾斜が急に緩やかになり、そこは山頂の一角です。時間切れ判断の14時少し前の13;45分着。

山頂には、遅いためもう誰もいません。遅がけの昼食を摂ります。天気は予報通り、崩れる方向に向っている様です。予定の東尾根コースは距離が長く時間もかかるため、距離的には短い五銚子の滝の「白谷本流コース」を降ることにします。会の山行部長へ「下山コース変更」のメールを送信しますが通じません。途中で送り続けることにして下山開始。以前に例会で来ていた時は、殆どがこの「白谷本流コース」を登っていた勝手知ったコースですが、降ってみると凄い急坂の連続です。お助けロープの連続で、後ろを向いて三点確保で降りるところも多く、時間がかかります。ただ“ヤマシャクヤク”の花は多くて、急登のルート沿いに五銚子の滝の近くまで咲いていました。後ろ向きで慎重に降るは、花を愛で写真を撮るはで、結構時間がかかります。しかし“ヤマシャクヤク”には堪能しました。

五銚子の滝まで来ると、お約束通り雨が降り出しました。ここからは樹林帯でなく、徒渉もある沢沿いのルートですのでカッパを着用。右岸・左岸と何度も渡り返しながら進みます。急峻な山だけに雨が降り出すと、即、沢の水は増水してきます。水に濡れた石の上を慎重に進みむと経ヶ滝に出て、そこからすぐに太鼓橋の林道にでます。林道を横切り、小さいハシゴで白谷沿いの登山道に出てこれを降ります。ここからは谷も大きく、ある程度しっかりした登山道を、雨に降られながら降りました。「太鼓橋から長いなぁ!」とボヤキが出る頃に白谷登山口に通じる林道に出て、これを少し行くと登山口駐車場です。下山予定時間の16時30分より、25分遅くなりましたが、無事に下山してヤレヤレです。(ちなみに計画書の「最終下山時間」は、白谷登山口/17時30分でした)

登山者boxに「下山届」を入れ、会に「下山報告」のメールを入れ(「下山ルート変更」のメールは“五銚子の滝”付近で送信できました)、そして自宅に下山の℡を入れて、本日の山行を終えました。駐車場には誰もいません。車の中でカッパを脱ぎ、上から下まで着替えてスッキリしてから帰路に付きました。天気は雨ですが、渋滞もなくスムーズに帰れました。 “ヤマシャクヤク”を堪能し、“五銚子の滝”の迫力ある滝を見られ、急登の続く三高尾根を登って一寸した達成感も味わって、しんどかったですが充実した山行でした。感謝!