【山行日】 2021年12月5日(日)
【天 候】 曇り時々晴れ
【参加者】女性5名、男性5名、計10名
【コースタイム】JR草津駅東口バス停(8:00発)~上桐生バス停(8:21着)~登山口(8:30発)~落ヶ滝(10:10着)~鶏冠山分岐(11:15)~天狗岩(11:50)~耳岩(12:50) ~白石峰(13:10)~狛坂摩崖仏(13:40)~逆さ観音(14:45)~オランダ堰堤(14:55)~登山口(15:00着)
【総 括】金勝アルプスは、登山道が良く整備された、小さなお子さんからお年寄りまで誰でも安全に、安心して楽しめる山です。当日のお天気は快晴ではありませんでしたが、暑くもなく、寒くもありませんでした。そして天狗岩によじ登って四方を見晴らし、琵琶湖や比良山系、伊吹山の絶景を堪能したり、耳岩登りにも挑戦してみたりと、適当に冷や汗をかいて、非日常の、金勝アルプスらしい快適なハイキングを楽しみました。
【山行報告】天気予報では「晴れ時々曇り」でしたが、当日の朝に小雨が降ったりして、私がリーダーをした前回の「堂満岳」が頭の中をよぎります。登山口から落ヶ滝を目指します。何か所かの分岐点がありますが、「落ヶ滝、鶏冠山」の表示があり、間違えることはありません。路面の岩も落ち葉も滑ることはなく、正にハイキングです。滝に到着すると記念撮影です。先ほどまでいたグループは出発し、私達だけで独り占めです。昨夜来の雨で少々、滝の水量は多いのでしょうか。
稜線に登ると右手の木々の間から琵琶湖や紅葉に染まった岩山を見ることができ、気持ちの良いものです。でもなかなか、天狗岩に到着しません。私の思いでは天狗岩に11時30分に到着して昼食休憩を取り、12時10分に出発としていたのですが、どうやらゆっくり歩きすぎたのかもしれません。天狗岩到着後にすることは、「登頂」しかありません。「ご案内します。」とお伝えすると、ザックの留守番を引き受けてくださった山下さん以外の「全員」が参加です。登った岩の上は、高度感はありますが、岩が広いので恐怖感は感じません。記念写真でも皆さん、笑っておられます。
天狗岩に上がった時には登山者も少なかったのですが、降りるときには渋滞です。20人近くが登ろうと取り付きのロープの下で待機です。帰りの時刻があるので、ゆっくりしては居られません。20分で昼食休憩を済ませていただきます。12時35分に出発して、次は耳岩です。稜線歩きでは、巨岩庭園の散策に相応しい景観が次から次へと見られます。また、天狗岩に登っている人達を望見すると、よくもあんなに危ないところへ行ったものだと変に感心します。耳岩に到着です。今まで耳岩に登ったことはありませんでしたが、Yさんから「登れる」との話を聞き、早速、複数名が挑戦です。皆さん、本当にチャレンジ精神が旺盛です。耳岩から白石峰までも同じように稜線歩きを楽しむことできます。紅葉と巨岩が独特の景観を構成しています。白石峰からは下山路になります。展望はもう期待できません。
一路、狛坂摩崖仏を目指すだけです。摩崖仏までの登山道は石組みのよく整備された道です。感動が続いたせいか、皆さん、一様に言葉少なになっておられます。狛坂摩崖仏に到着です。うっそうとした林の中の巨大な花崗岩(6m×4m)に摩崖仏が彫られています。中央が阿弥陀如来、左右は菩薩像で、その他12体を含めた15体の像が彫られているとのことです。製作年代は奈良時代後期、平安時代末期など諸説あって判然としません。
狛坂摩崖仏から新名神高速道路のトンネルを抜けるまでは林道が続いています。始めは傾斜のきつい石だらけの、膝が痛くなるような歩きにくい道です。滑ったりしないように注意が必要です。そのうちに広い道になってきます。今度は緩やかな、枯れ葉が舞い散って一面を覆っている道です。ダラダラと続く道のため、歩くのが段々と嫌になってきます。新名神のトンネルからはアスファルトの道になり、そして出たところが二方向に分かれています。左側が「逆さ観音」を経て、登山口のある上桐生バス停に至る道です。道には「諸車通行止め」のロープが張られていますが、無視をしてロープをくぐります。道の先の方が陥没をしていて、車は通れないのですが、人は通れます。逆さ観音に到着です。鎌倉時代に彫られた摩崖仏がこの逆さ観音になったのは、明治の治山対策として行われたオランダ堰堤の切り石工事によるものです。
奈良時代までは金勝アルプス(田上山系)には大量の杉やヒノキが生い茂っていました。しかし、奈良時代に都や寺の造営のためにその多くが伐採され、植林もされないままに放置されたうえ、さらに江戸時代まで燃料等の伐採が続いたため、土砂崩れ、土石流を起こす山になったようです。何度もの土石流で多数の人命が奪われ、田畑や建物の被害があっと記録されています。治山治水工事のため、「身を削られ、逆さまになっても地元の人々を大洪水から守ってくださる。」と敬われていると案内板にありました。オランダ堰堤から登山口までは、キャンプ場が続いています。夕方近くのこんな時間から「バーベキュー」のための火を起こしている人がいます。オランダ堰堤は、明治時代のお雇い外国人「ヨハネス・デレーケ」の指導に基づいて明治政府が作った砂防ダムです。ダムの前は砂の広場になっていて、子ども達の遊び場になっています。格好良い形をしています。白石峰までは30分以上も想定より遅かったのに、予定どおり15時に登山口に戻って来ました。まだ、明るいです。皆さん、下りは超お得意なようです。15時30分発の草津駅東口行のバスに乗れました。皆さん、楽しいハイキングをありがとうございました。