〈例会報告〉六甲荒地山とロックガーデン「中央稜」   ~六甲山地の景観とプチスリルを楽し~~ 記M・K

【山行日】 2022年2月27日(日

【天 候】 晴れ時々曇り

【参加者】 女性・5名、男性2名、計7名

【コースタイム】阪急芦屋川駅(9:20発)~登山口(9:40着)~城山(10:10)~岩梯子(11:20)~岩小屋(11:50) ~荒地山(12:00~12:30)~魚屋道合流点(12:50)~風吹岩(13:05)~高座の滝(14:10着)

【総 括】参加の皆さんには、全身と全神経を使っての岩登りと岩下りを堪能していただけたのではないでしょうか。荒地山の高度感のある岩梯子をよじ登って、新七右衛門嵓に辿り着くまでだけでも結構気を遣いますのに、更に岩登りが続きます。3点支持も何のその、膝やら肘やら体中の部位を総動員して体を引き上げます。そして、ロックガーデンです。下りはかなりハードです。登りはお子さんを連れて行かれる方もおられますが、子ども連れで下りて来られる方は見かけません。大人だけのコースです。皆さん、岩稜歩きに自信を深めていただけましたでしょうか。また、機会があればスリルを楽しみましょう。

※迂回路は何か所かあるらしいですが、全て正面突破で臨みました。良く頑張ってくださいました。

【山行報告】集合場所の阪急芦屋川駅前の広場は、登山客でごった返していました。9時過ぎから50人以上が常に広場に居られます。殆どの方は高座の滝、風吹岩を経由して六甲最高峰を目指して行かれるようです。荒地山コースを選択したのは、我々以外に10人程度ではなかったでしょうか。予定の時間には全員が集合して出発です。城山登山口までは舗装路で、芦屋川から離れた辺りから両側には高級住宅街が続きます。城山登山口で衣服調整を済ませて登山を開始します。城山、鷹尾山、そしてP327mを過ぎた頃までは、非常に歩きやすく、大文字山の火床までの道を思い出させます。

城山頂上

荒地山が次第に目に入ってくるようになると、次第に岩だらけの急な坂道が現れてきます。この登りが20分ばかり続いたでしょうか。突如、目の前にほぼ垂直に5mほどそそり立つ、狭い岩場が現れます。「岩梯子」です。そしてこれを登り切った先にあるのが、身体だけしか通れない「新七右衛門嵓」です。岩梯子を通らず、右に迂回するルートもありますが、これが目的で来たのですから是が非でも登らなくてはなりません。岩梯子には一人ひとり順番に上がってもらいます。始めは何とかなるのですが、「新七右衛門嵓」の手前の岩が大きな歩幅でないと楽に上がれないので少々梃子摺ります。そこへ後ろから若い?男性3人がやって来ます。当然、先に譲りますが、軽々と登って行かれます。皆さんも「金比羅山岩稜トレーニング」を思い出されたのか、同じようにスイスイと登って行かれます。良かった、良かった!

上がったところから「新七右衛門嵓」に向かって登ります。ザックを担いでいては穴を通り抜けられませんので、途中、ザックを外して手に持ちます。そのため岩登りには片方の手しか使えず、岩に体を寄せて落ちないようにしながら少しずつ登り、ようやく穴越しにザックを放り出して潜り抜けます。なかなか、スリルがあります。ここから岩小屋を目指すルートは右側にありますが、すぐ近くに北・西・南の3方向がスパッと切れ落ちた高度感一杯の、10人程度なら楽に座れる広い岩があります。ここで昼食をと皆さんを案内します。ただ、残念なことに絶景ですが、風が冷たくて昼食どころではありません。

昼食予定場所
荒地山頂上

早々に出発して、昼食は荒地山の頂上で取ることにします。荒地山の頂上付近までは、またもやの岩場続きです。荒地山の頂上は樹木に四方を遮られて全くの眺望なしですが、風が通りませんので比較的暖かく、ゆっくり昼食を取ることができます。昼食後は下山です。

荒地山頂上から続く道が魚屋道と合流するまで約20分、風吹岩まで約15分の間は、整備された正に「六甲のハイキングコース」です。快晴でポカポカ暖かく、左手に先ほどまで楽しんだ荒地山の大きなゴロゴロとした岩が望めます。鳥のさえずりも春めいて快適です。風吹岩に到着です。小さな子ども達から大人まで常時30人程の方々が岩の頂上や周辺で、眼下の港や瀬戸内海の景色を楽しんで休んでおられます。私達もせっかく来たのですから、岩のテッペンに登ります。テッペンは狭いのと、足場が良くないのでそんなに長くは立っていられません。座っている方が気持ち良いです。記念撮影です。上手に撮れてはいませんが、これ以上後ろへ下がったらカメラマンは滑落です。

風吹岩

風吹岩からロックガーデン中央稜を経由して、ゴールの高座の滝を目指します。

約1時間の歩行時間のうち、ロックガーデンを楽しむのは、ゴールの高座の滝までの約30分程度です。真下に芦屋、六甲アイランドを見ながらゴツゴツとした岩ばかりの岩尾根を下って行きます。危険な箇所はありません。ただ、登山路が花崗岩の砂で覆われているため、足の疲れもあって、滑って転倒しては大変です。

なお、すれ違った、登って来られる方々の中に家族連れはありましたが、下りの方々の中に家族連れは皆無でした。元気そうな若者達しか見かけませんでした。一般的にロックガーデン中央稜は登りに使う道であって、下山に使う道ではないのかもしれません。

高座の滝

高座の滝に到着です。これで今日の例会は終わりです。まだ、午後2時です。休憩時間を除くとわずか4時間の山行でした。もっと長時間、歩きたかった方もおられたかと思いますが、「量より質」でご容赦ください。

※高座の滝に向かって左側上部の岩にロックガーデンの名付け親、登山家「藤木九三氏」のレリーフが嵌め込まれています。行かれる機会があれば、是非ご覧ください。